魔法にかけられて

行きたい現場に行きます

エリステって、たのし~~~~

 

2022年12月、私はこのド年末にとても魅力的な舞台と出会ってしまった。

Action Stage「エリオスライジングヒーローズ」、通称エリステと呼ばれるその舞台は、アンサンブルを含めた出演キャスト全員が一丸となって、とても真っ直ぐな物語を紡いでいくものだった。

 

東京千秋楽を迎え、個人的に劇場に通える公演が終わってしまったので日記代わりに緩く感想を残していこうかなと思う。

 

 

出会い

  エリステとの出会いは本当に単純で、なんとなく眺めていた2.5次元ミュージカル協会の公演スケジュール一覧だった。

最後に2.5次元作品を見たのはなんだったかなあ、『ハイネ』かなあ、など適当なことを考えながら作品名を眺めては作品HPに飛び、軽く目を通して公演一覧に戻る、という作業を繰り返していた。

 

そうしてかなり下までスクロールを進めた頃、一つの作品名に目が止まった。

エリオスライジングヒーローズ

今はやめてしまったけどリリース時めっちゃやってたやつ~~~~~~~などと懐かしい気持ちになり、興味本位でHPを開く。

 

びっくりした全員顔面強~~~~~~~~~~~

 

全員アプリからそっくりそのまま出てきたのか?みたいなビジュアルがキャスト紹介部分に掲載されていて本当にびっくりした。

しかもよく見ると、しばらく2.5次元を見ていなかった私でも分かるような活動歴の長い俳優もキャスティングされていた。

 

登場キャラクターとストーリー部分を照らし合わせると、おそらくアプリゲーム内の1部1章部分だろうというのは容易に想像がついた。そしてこのストーリーは私が好きだったストーリーの1つだった。

 

HPを見れば見る程興味が湧き、チケットを申し込むか否か悩んでいる私の背中を後押ししたのは、HPを開くと否が応でも出てくるこの動画だった。

 

youtu.be

 

恐らく当時は別の舞台作品の仕事をしていたろうに、ここまで”キャラクター”が動くのか、と思った。

「アクションステージ」と銘打つだけあって、アクションシーンに力を入れているのだろうということは、この特報で十分理解できた。

そしてこの動画で再確認したが、私は登場するキャストの1人のアクションが凄く好きなのだ。身のこなしも軽く、この人が行うアクションへの信頼度がバカ高いことを数年越しに思い出してしまった。しかも好きなキャラだった

 

もうここまで思い出してしまったら申し込むしかない。その時点で既に数個の先行抽選は終了しており、確か抽選販売はあと1回か2回か、くらいかの時期だったと思う。

仕事の関係上、日曜・水曜しか行けそうになかったことに加え、私は都内に住んでいるわけでは無いので帰宅時間を考慮してマチネ公演を2公演だけ申し込んだ。

 

当たっても当たらなくてもどっちでもいっか~くらいの気持ちだったが無事に2公演を確保し、まだまだ先の「エリステ」に想いを馳せながら日々を過ごすこととなった。

 

 

観劇初日

劇場入り前

 観劇が決まった日から、アプリゲームを再度インストールしストーリーを読み返してはいたが、「エリステ」自体の情報は正直あまり仕入れていなかった。

キャストのSNSをチェックしたりもしていなかったし、なんなら劇場の場所すら当日まで曖昧だった。(これは計画性がないだけ)

 

ただ、グッズ情報にペンライトがあり、よく見ると「2幕はライブパート」という記載があったことだけ記憶していた。

アクションステージでライブパートってなんだよ…と思ったが、エリステ公式はご丁寧に2幕のセトリ試聴動画を投稿してくれていたのでひとまずそれを聞いてみることにした。

 

いや試聴聞いてもなんでライブパート!?と思った。考えてみたら私は2.5次元舞台で「ライブパート」と明記されているものがある舞台に行ったことが無かった。

あんまり曲が己に刺さってないけど楽しめるんだろうか…などと一抹の不安を覚えながら劇場に向かう。

 

この楽曲は物販でMカードとして販売されているが、まあ、買わないだろこれは(笑)

(盛大なフラグ)

 

劇場入り~1幕

 いよいよ会場に着き、座席に向かうための扉を通るとそこには開演前のソワソワとする独特の空気が流れていた。

ステージには、この舞台の肝になるのであろう盆が設置されており、どのように活用されるのかがすごく楽しみだった。

 

そんなこんなで、場内で流れていたBGMも静かになり、照明も暗くなる。

いよいよ開演か!とドキドキしたのを今でも覚えている。

 

そして登場する各キャラクター。

 

えっ本人?

 

えっびっくりした声帯にキャラ飼ってない?全員、いい意味で顔面とのギャップが無い声色でびっくりした。本当にびっくりした(語彙)

 

人が驚いている間にも、ストーリーはテンポよく進んでいく。人力でくるくると回されながら繰り広げられる序盤の説明は、視覚的にも飽きさせない、楽しい演出だった。

私はあっという間に「エリステ」という舞台に惹きこまれてしまった。

 

ほのぼのとしたパートから一転、BGMが不穏なものへと変化する。

そう、主人公であるヒーローと敵対するチームの登場であり、この舞台の象徴である「アクション」が本格的に始まったのだ。(客席降り、あるんだ………………と思いながらガン見しちゃった)

 

舞台上を縦横無尽に駆け回り、盆が回ると場面転換になるという中々に目が忙しい展開が繰り広げられた。

アクションだけでなく、スクリーンを使用し「能力」が実際に使用されているように見せていて、ただただ素直に感動した。臨場感が凄いのだ。

私は座席に座って見ているだけなのに、少し心拍数が上がったような気がした。

 

そして流れる主題歌と共に、キャラクター紹介を兼ねたOPが始まる。

もうここが凄い。うまく言えないが、アニメのOPを見ているようなワクワク感があった。これから物語が始まるのだ、というワクワク。

アッしかも踊るんだ!!!!!??????????

 

ワクワクと衝撃のOPを経て、更にストーリーはテンポよく進んでいく。いくつかのキャラクター同士の関係性を絡ませながら、それぞれルーキーは成長への1歩を踏み出していく。失敗や実戦を重ねながらチームワークを強める、私が好きなエリオスだった。

 

1幕は大体2時間あるかないかくらいの時間だったと思う。舞台ならそこまで長くはない時間だが、普通に考えて2時間というのはかなり長い。千葉県から東京都内まで電車で出れる時間だ。

そんな時間、1度も飽きなかったというか、余計なことを考える時間が無かったのは、アクションはもちろん、芝居中に定期的に組み込まれる日替り演出ではないだろうか。まさか日替りがあると思わなくてびっくりしたし、もれなく全部面白かった。各キャストのメモ帳にたくさん書かれているであろうネタが、観客を虜にする1つの理由だと思う。

 

私は原作アプリ内のシャムス&ウィルの路地裏猫のシーンが好きなので、そこが日替わりとして組み込まれていてすごく嬉しかったし、絆創膏ネタ1つであそこまで笑いを誘える力量に驚いた。

 

驚いてばっかで草

 

さて、そんなストーリーと日替りがありつつも、やはり目玉はアクション。ここが本当にすごい。

 

アクションのイロハなんて1ミリも分からないバカオタク代表私でさえ、めちゃくちゃすごいことをしているのだろうということが分かった。

1対1のアクションが繰り広げられるだけでなく、同時に複数のメインキャラがあちこちで戦い始めるのだ。目が足りない

 

組み合いだけでなく、まあまあ高そうな段の上から普通に落ちてくるし、今壁上りました?みたいな軽さであっという間に上段に移動していたりしていて、心の声は一生「ハエァ…?」と言っていたし、宇宙猫が常に頭上に浮かんでいた。

 

まるでヒーローショーを見ているような気分になるこのアクションは、キャストの皆さんが「ヒーロー」になってくれたからかな、と思う。

 

数えきれないほど多くの激しいアクションが終了した上で流れる主題歌は、同じ曲なのに、また違う感情を誘った。OPにもEDにもなれる神曲は、試聴動画でも聴くことのできる「Hope in your World」だった。

 

 

2幕

 最初の方でさらっと言ったが、私は2.5次元作品のライブパートというものに詳しくない。途中で歌が組み込まれたり、最後の曲が客降り曲だったりするものはあっても、ガッツリ2幕がライブと言われている物は初めてだった。

 

だから私は、試聴動画のセトリをただ坦々とやるだけなのかな~と思っていた。

曲をバーッと歌ってカテコして終わり!みたいなのを想像していた。

本当にそうだと言われても何の文句も無いほど1幕で満足していたので、軽い気持ちで2幕に臨んだ。

 

びっくりしたちゃんとキャラとして演技パートあるんだ~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

てかイクリプスめっちゃ自由~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

2幕の日替りが本編なのか?レベルでシン&シャムスが自由だった。いや主に自由なのはシンなのだが。

1幕で必ずヒーローの頭バチ蹴らないと退場できない病にかかってた2人とは思えないほどに笑いを引き起こすコーナーとなっていて、ギャップでどうにかなりそうだったが、おかげさまでかなり記憶に残る濃いシーンだった。

 

そんなコミカルなシーンを終えたイクリプス組の楽曲はどないなんだ…と思っていたのだが

 

バチゴリディスり合いラップ来た〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

もうシャムスの初手からノックアウトだった。もうこんなん…こんなのオタクは好きじゃん…嫌いなオタクいないじゃんこんなの…(降参)

 

しかもラップだけじゃなくサビからはバチバチのダンス付きだった。これはもう好きだった。嫌いになる余地がない曲だった。

 

2幕でオタクが好き、と言えば外せないのは「Winter Vacation」ではないだろうか。

2幕演目内での唯一の日替わり楽曲であり、担当メンバーはヒーロー(ジェイ除く)から選出されている。

 

チームこそ固定されているが、それぞれに良さがあり、なおかつシンプルに楽曲が可愛いことからもかなり高評価を受けている印象を持つ。

 

私の周りで観劇した人間はもれなく全員ウィンバケの虜になってしまったし、「白い街笑顔溢れるウィンターバケーション」が口癖になりつつある。今年のクリスマスは恐らくこの文言で乗り切ることになるだろう。

 

時間にして30分弱だったと思うが、分数以上の満足度があるライブパートだった。

 

 

終演後

 笑顔溢れるウィンターバケーションを過ごし、ナルシストは不必要と言い放った2幕を終え、座席を後にした私の足は自然と物販に向かっており、気付いた時には手にMカードを所持していた。

 

試聴では魅力が自分自身に伝わりきっていなかったのだ。1幕を通しキャラクターに愛着が湧いた上で聴く楽曲は、想像の5億倍素晴らしかった。

楽曲を聞いただけで、どのようにキャラクターが動いていたのかが鮮明に思い出せる。

 

かなり単純だと思うが、自分でも驚く程に心を鷲掴みされてしまったのだ。

最初こそ1人のキャスト目的で行ったが、終わる頃には「エリステ」というひとつの舞台に魅了されていた。

 

帰宅途中の電車で配信チケットの通しを買い、気付いたら現地チケットが3日分増えていた

 

2回目以降

気が付いたらチケットが手元に増えていた私だが、2回目観劇前は一抹の不安が残っていた。

 

それは、流れを全て知っている舞台をまた新鮮な気持ちで楽しめるだろうか?という部分。

 

どうしても、中身を知っているものを見に行く時途中から飽きてしまいがちな自分だったので、版権ガン無視日替わりネタ以外の部分で気を逸らさないようにしよう、とかなり失礼なことを考えていた。

 

が、杞憂だった。

 

日替わりはもちろんのこと、いつ何回みてもドキドキする迫力あるアクションシーン、見る度にキャラクターとしての完成度が上がっていくキャストの演技、よく見ると仕事量がエゲつないアンサンブルの皆様など、エリステは何回見ても心の底から楽しめる要素しか無かった。

 

12/10の公演と12/18の公演では、やはり18日の方が迫力があったように感じるし、ウィルの"執着"の解像度が高くなっていて、演者も公演を通して常に成長し続けているのだろう、と思った。(ウィル役の方のインスタを見に行ったらキラキラ量産オタクみたいなことしててびっくりした かわいい)

 

アクションに関しても、公演日数が後半になるにつれて本当に殴り合っているように見えていった。

顔面を蹴るシーンなんかは、数回「今本当にバチ当たらなかった?」なんて思う程だった。

 

このアクションのおかげで、エリステはどこの座席で見てもずっと楽しい舞台だった。

後方席だとしても、それはそれで全景が見ることが出来、かなり豪華なヒーローショーを見ているようで、気分は完全にニチアサを見ている少年だ。

 

何度か劇場に足を運んだおかげで、入所式のシーンでルーキー達が寝てしまう工程も、寝てしまった…という顔で目を擦ったり頬を軽く叩くウィルも、騒ぐアキラ&ウィルを止めるために段に飛乗る前に覚悟を決めているオスカーも、嫌な笑みを浮かべながら戦闘を見ているシャムスも、その他書ききれないほど多くの細かい要素を見ることが出来た。

 

2幕はもちろん言うまでもなく毎公演夢のようで、この時間が一生続けばいい、と思うほどに幸せで、夢を見せてくれる時間だった。

 

最初はパフォーマンスにばかり目が行きがちだったけど、3回目くらいからは歌詞と表情に注目できるようになって、「Precious Treasure」でのウィルが「絆という言葉には足枷という意味がある」というパートを担う事に毎回心が締め付けられていた。

 

全てのライブパートで観客に幸せを与えている彼らは、もう立派に「エリオスのヒーロー」なのだな、と思ったし、直前まで仲良いコントを繰り広げていたのに、露骨な嫌悪を顕にしてくるイクリプスも、この2人が今舞台のヴィランで良かったと実感した。

 

最後に

 ついこの間始まったと思った東京公演もいつの間にか千秋楽。もう14公演も終了したのか、と思う。

この1週間弱、エリステと共に駆け抜けることができて本当に良かった。

 

仕事でかなり落ち込むことがあって、もうズタボロになりながら行った2幕。その日の日替りもやっぱり面白くて、元気をもらって帰ることができた。

 

激務を終えた翌日、休日だからとマチソワ両部観劇したあの日。少しの勇気と活力をもらって、明日以降の勤務のやる気を奮い立たせることができた。

 

見る度に成長していく舞台は、私の生きる糧となるのに十分な要素を持ち合わせすぎていた。オタクだから言葉が重くて草

 

そして、毎回「やっぱりこのキャラを演じてくれるのが貴方で良かった」と思わせてくれる人を好きになることが、この上ない幸せだと実感した。

羽のように軽々と動く貴方を劇場で沢山見ることが出来たことは、この冬一番の思い出になりました。

 

アンサンブルの方々も含めて、キャスト全員が「この人で良かった」と感じる人達だった。

あまり演者本人に関しては詳しくないのだが、特にウィル役の方の成長度合いが凄いと思った。初めて舞台でウィルを演じてくれる人がこの人で良かった。(個人的にウィルが好きだから目に留まっただけで成長度合いは全員凄い)

 

もしこの先、エリステという物語が進んで、キャストが変わっていってしまったとしても、私はきっとこの初演キャストが作り上げた舞台を忘れることは無いだろう。

 

なんだか同じようなことをつらつらと書いてしまったし、多分他にも書きたいことはたくさんあるのだが、いかんせんうまく言葉が出てこないので今回はこの辺りで日記を終了することにする。

 

あり得ないほど寒い冬に熱い舞台を届けてくれてありがとう。

京都でも無事に白い街笑顔溢れるウィンターバケーションになりますように。

関西地方でも元気にウィンドウショッピングができていますように。

 

そして25日の大千穐楽まで誰も怪我無く駆け抜けられますように!

配信今から楽しみだね。素敵なクリスマスにしようね。

 

ゲネプロ よければ見て

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